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The Nightfly / Donald Fagen [音楽]


「良い音楽」と「良い録音」と言うのはなかなか両立しないみたいです。

「何時迄経っても【普遍的な音楽】で【色あせない録音】ってのが本当にあるんだ…」と感じさせるアルバムも稀にあります。

もうあらゆる所で語り尽くされているアルバムかと思いますが、今回我慢出来ず綴ってみます…[たらーっ(汗)]

丁度私が音楽を聴き始めた時はオーディオブームとCD化の波が一気に来てた頃で、今では考えられないラジオの専門週刊誌も発刊されてました。当時、定期的に音楽雑誌やオーディオ雑誌では、「録音名盤」「洋楽100選」とかの特集が組まれてました。

「録音名盤」「洋楽100選」とはなかなか相容れない物ですが、必ずどちらにも顔出すのが…









Nightfly

Nightfly

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 1993/04/21
  • メディア: CD

このアルバムです。

前回、別の意味でネタに使ってしまいましたが、今回はちゃんとした形で改めて取り上げたいと思います。

大学生の免許取り立ての夏から、必ずカセットテープ若しくはCDで車内に常備しておりました。当時はお洒落な定番のデート御用達の音楽と名高かったのです…(苦笑。


最初の「I.G.Y.」の軽快なノリはワクワクさせる物を感じさせました。従兄弟から譲って貰った10年落ちの車で初デートの時、夜の高速道路に乗った際にBGMで使いました。ETCとか当然無いので、慣れない手つきで小銭を料金所で「バラバラ」落としたり…(赤面。

まぁ、そんな甘酸っぱい思い出があるアルバムなのですが、Bassを弾きだしたそんなある日、当時の教典「BassMagazine」で「Will Lee」の初記事が掲載されてました。

彼の参加作品の代表に、このアルバムが…。

しかも、「BassMagazine」のバックナンバーも取り寄せたりし始めてたので、手許の雑誌に目を通していると頻繁にこのアルバムが出てきます。

参加ベーシストを整理すると…

1. I.G.Y. / Anthony Jackson 
2. Green Flower Street / Chuck Rainey  
3. Ruby Baby / Anthony Jackson  
4. Maxine / Marcus Miller  
5. New Frontier / Abraham Laboriel  
6. The Nightfly / Marcus Miller  
7. The Goodbye Look / Marcus Miller  
8. Walk Between Raindrops / Will Lee

素晴らし過ぎます…(唖然。


当然、他の楽器の面子も楽曲に合わせて丁寧に選出されてます。今のようにサンプラーとか無い時代ですので、デジタル録音とは言え人選と根気(テイクを重ねる)で楽曲を構築してたのです…(人力&財力サンプラー、驚嘆。

丁度良いタイミングで楽譜も出たので、入手しコピーしまくまりました。その中でも「Anthony Jackson」の演奏が凄く、それまでメタルやパンクの印象で否定していたピック弾きを見直すきっかけになりました。

改めてBassの視点で聴き直すと、「I.G.Y.」のスピード感を担っていたのは、彼だと気が付きます。私自身のピック弾きは「Tony Levin」と「Sting」からも大変影響を受けましたが、硬質で魅力的なグリスでグイグイと引っ張る感じは彼ならではで、タイム感やミュート(不要な音を出さないテクニック)、音価(音の長さのコントロール、音を切るテクニック)、運指等の地味で目立たないですが演奏する際の重要な様々な事を彼から学びました。※「Al Di Meola」のアルバムでも彼の素晴らしい演奏が聴けます。


しかしコピーしてて一番思ったのが「コードチェンジが多過ぎて楽曲が覚えれません!」でした…(爆笑。


実際、再結成の初来日時の時は「Donald Fagen」と「Walter Becker」以外のメンバーは、横長の楽譜を譜面立てで見ながら演奏してましたし、ある曲ではBassが演奏中に曲を見失って舌を出して演奏を誤摩化してましたし…(苦笑。

コンサートの際「Dennis Chambers」がドラムだと思って行ったら、更に大好きな「Peter Erskine」でビックリしたりとか、確か「Babylon Sisters」が最初の曲目で流れた瞬間、正装した観客からさざ波のように拍手が沸き上がったりとか懐かしい思い出です。2回目の来日の時は、既に出来上がった白人の方々が煩かったですが…(本来の楽しみ方は彼等の方が正しいかも?。


そんな感じで、「デートのお供」から「楽器演奏の教科書」「録音の教科書」と個人的には長い間で一番お付き合いの仕方が変化したアルバムかも知れませんね。今では、週末にキッチンに立ち「今週も終わったなぁ〜」と実感しながら、ゆっくり料理をする時のBGMですが…(笑。


今回の記事は、「KEI」様のブログに触発されて書かせて頂きました。何時も楽しく読ませて頂いてます。
m(_ _)m





しかし「King Crimson」と「Donald Fagen」と言う或る意味、対極にある音楽を平気で並べて、「好き」と言い切れる私の感覚ってどうなんでしょうか…?[たらーっ(汗)]



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コメント 2

KEI

恐縮です。。(^^ゞ
かなりお詳しいですね!(凄い)

やっぱりこのアルバムは色あせてないですね。今でもミュージャンの中でこのアルバムが音の基準になっているそうですから・・・
by KEI (2011-07-28 01:41) 

素老人

楽器を始めてから深く研究するようになったのですが、「女の子モテたい!」と不純な動機で聴き始めました…(赤面
by 素老人 (2011-07-28 08:04) 

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